Labee Dev Toolbox
技術ノートガイド用語解説
無料で試す
  1. ホーム
  2. / 用語解説
  3. / Sender Score
メール配信インフラ

Sender Score

2026年5月20日 更新

概要

Sender Score は、Validity 社(旧 Return Path 社)が提供する、メール送信元 IP アドレスの信頼度を 0〜100 の数値で評価するレピュテーションスコアです。スコアが高いほど送信元の信頼性が高く、メールが受信トレイに届きやすくなります。

Sender Score は、Validity 社が収集する送信者データネットワーク(旧 Return Path Sender Score Certified プログラムに参加する ISP やメールボックスプロバイダーからのデータ)をもとに算出されます。スコアは過去 30 日間のローリングウィンドウで計算され、送信行動の変化が反映されるまでに数日〜数週間かかります。

Sender Score は送信者レピュテーション全体の中の 1 指標です。Google Postmaster Tools のレピュテーションダッシュボードや Microsoft SNDS など、プロバイダー独自の評価とは別の第三者スコアとして利用されます。メール配信の担当者が自社の IP レピュテーションを客観的に把握するためのツールとして広く使われています。

仕組み

Sender Score の算出要素、スコア帯ごとの影響、メールボックスプロバイダーとの関係を説明します。

スコアの算出要素

Sender Score は複数の要素を組み合わせて算出されます。Validity 社はアルゴリズムの詳細を公開していませんが、以下の要素が評価に影響することを明示しています。

要素影響
スパムトラップへの送信スコアを大幅に低下させる
不明なユーザーへの送信率バウンス率として評価。高いとスコア低下
スパム苦情率受信者からのスパム報告の割合
インフラ設定SPF・DKIM・DMARC の設定、FCrDNS の成否
DNSBL 登録状況Spamhaus 等のブロックリストへの掲載
送信量の安定性急激な送信量の増減はマイナス評価

スコアの解釈

Sender Score の数値は、同じ期間に評価された他の送信元との相対的な順位をパーセンタイルで示しています。

スコア範囲意味
80〜100送信元として高い信頼性。メールが受信トレイに届く確率が高い
70〜79概ね良好だが、一部のプロバイダーでフィルタリングされる可能性がある
50〜69配信に問題が出始める。改善が必要
0〜49深刻な配信問題。多くのプロバイダーでブロックまたはスパム判定される

スコアが 70 未満に低下すると、メールの配信率に明確な影響が出始めます。Validity 社のデータによると、スコアが 80 以上の送信元は受信トレイへの到達率が 90% 以上になる傾向があります。

Sender Score と送信者レピュテーションの違い

Sender Score は Validity 社が独自に提供する第三者スコアであり、メールボックスプロバイダーが内部で使うレピュテーションスコアとは異なります。

Gmail は独自のレピュテーションシステムを持ち、Sender Score を直接参照していません。Microsoft も SNDS で独自のスコアを算出しています。Sender Score は「自社の送信 IP がメール業界全体でどう評価されているか」を知るための外部指標であり、特定のプロバイダーへの配信結果を保証するものではありません。

ただし、Sender Score が低い場合、Gmail や Microsoft のレピュテーションも低い可能性が高いです。複数のスコアを横断的に確認することで、送信元の健全性をより正確に把握できます。

IP アドレスごとの評価

Sender Score は IP アドレス単位で評価されます。専用 IP を使っている場合は自社の送信行動のみが反映されますが、共有 IP(メール配信サービスの共有プール等)の場合は同じ IP を使う全送信者の行動が影響します。

共有 IP のスコアが低い場合、配信サービスに問い合わせるか、専用 IP への移行を検討します。専用 IP に移行した直後はスコアが付いていない状態のため、IP ウォームアップを行って段階的にレピュテーションを構築する必要があります。

確認方法

Sender Score は Validity 社のウェブサイト(senderscore.org)で無料で確認できます。送信元 IP アドレスを入力すると、現在のスコアと過去 30 日間の推移が表示されます。

自社の送信 IP が DNSBL に登録されていないかは dig で確認します。DNSBL への登録は Sender Score を大幅に低下させる要因です。

dig +short 25.100.51.198.zen.spamhaus.org
dig +short 25.100.51.198.b.barracudacentral.org

NXDOMAIN(応答なし)であれば登録されていません。A レコードが返った場合はそのリストに掲載されており、Sender Score にも影響しています。

送信 IP の逆引き(PTR レコード)も確認します。PTR レコードが未設定の IP は Sender Score が低くなる傾向があります。

dig -x 198.51.100.25

外部の視点からも確認したい場合は、Labee Dev Toolbox の IP API を使うと、外部の視点から見た結果を取得できます。

curl "https://labee.dev/api/ip?ip=198.51.100.25"
{
  "success": true,
  "data": {
    "ip": "198.51.100.25",
    "type": "IPv4",
    "isPrivate": false,
    "ptr": "mail.example.com"
  },
  "error": null,
  "meta": { "responseTime": 42 }
}

data.ptr が null の場合、PTR レコードが未設定です。FCrDNS が成立しない状態であり、Sender Score を含むレピュテーション全般に悪影響を与えます。

メール認証の設定も併せて確認します。

curl "https://labee.dev/api/mail-auth?domain=example.com"
{
  "success": true,
  "data": {
    "spf": {
      "record": "v=spf1 include:_spf.google.com ~all",
      "exists": true
    },
    "dkim": {
      "record": null,
      "exists": false,
      "selector": "default"
    },
    "dmarc": {
      "record": "v=DMARC1; p=reject; rua=mailto:dmarc@example.com",
      "exists": true
    },
    "bimi": {
      "record": null,
      "exists": false
    }
  },
  "error": null,
  "meta": { "responseTime": 120 }
}

data.spf.exists、data.dkim.exists、data.dmarc.exists が全て true であれば、認証インフラは整っています。認証の不備は Sender Score の低下要因です。

よくある問題

Sender Score の低下や誤解に起因するトラブルと対処法を整理します。

スコアが急激に低下した

Sender Score が短期間で大幅に低下する原因として、スパムトラップへの送信、DNSBL への登録、バウンス率の急増があります。過去数日間の送信ログを確認し、新しい送信リストの追加や送信量の急増がなかったか調べます。スパムトラップのアドレスは公開されていないため、リスト上の無効アドレスを送信前に除去するリストハイジーン(衛生管理)が予防策です。

新規 IP のスコアが低い

新しい IP アドレスには送信履歴がなく、Sender Score は低い状態から始まります。IP ウォームアップで段階的に送信量を増やし、バウンス率とスパム苦情率を低く保ちながらスコアを構築します。初日は数百通から始め、2〜4 週間かけて目標送信量に到達させるのが一般的です。

共有 IP のスコアが他の送信者に影響されている

メール配信サービスの共有 IP を使っている場合、同じ IP プールを使う他の送信者の行動が Sender Score に影響します。自社の送信行動に問題がないのにスコアが低い場合、配信サービスのサポートに問い合わせて IP プールの状態を確認します。送信量が月 5 万通以上あれば、専用 IP への移行で他社の影響を排除できます。

Sender Score だけに依存してしまう

Sender Score は第三者スコアの 1 つであり、Gmail や Microsoft が内部で使うレピュテーションとは異なります。Sender Score が高くても Gmail で迷惑メール判定されるケースはあります。Google Postmaster Tools、Microsoft SNDS、Yahoo の送信者レポートなど、プロバイダーごとのモニタリングツールも併用して総合的に配信状態を把握します。

実際のドメインで確認してみる

登録不要、無料です。ドメイン名を入れるだけで外部からの見え方を確認できます。

無料で試す

関連用語

メール配信インフラ

送信者レピュテーション(Sender Reputation)

メール送信元の IP アドレスやドメインに対する信頼度スコア。スコアが低いと Gmail 等で迷惑メールに分類される。

メール配信インフラ

DNSBL(DNS Blocklist)

スパム送信元の IP アドレスを DNS で公開し、受信サーバーがリアルタイムで参照するブロックリスト。Spamhaus が代表的なプロバイダー。

メール認証

SPF(Sender Policy Framework)

メール送信元の IP アドレスがドメイン所有者に許可されているかを検証する仕組み。DMARC の前提条件の一つ。

メール認証

DKIM(DomainKeys Identified Mail)

メールに電子署名を付与し、送信後の改ざんを検知する仕組み。SPF と並んで DMARC の前提条件。

メール認証

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)

SPF と DKIM の認証結果を統合し、なりすましメールの処理方針をドメイン所有者が宣言する仕組み。Google・Yahoo が大量送信者に義務化。

メール配信インフラ

ハードバウンス(Hard Bounce)

宛先不明やドメイン不存在など永続的な原因でメールが配信できない状態。放置すると送信者レピュテーションが低下する。

コンテンツ 技術ノート ガイド 用語解説
ツール ツール一覧 API Reference
Labee 日本語トップ Labee LLC
© 2026 Labee LLC . All rights reserved.
ホーム ブログ ガイド 用語集